【side 美月】
けとくんに貰った紙を見つめて早20分。
登録したからって彼女になれるわけじゃない。
都合のいい時に呼び出されて抱かれるだけの女にはなりたくない…
できれば。
学校終わりにバイトに行って一仕事終えた私はカフェで温かいミルクティーを飲みながら考えていた。
とはいえ、頭の中は同じ事を何度となく思うだけで決まりきれなくて。
頬杖をついて窓の外を見つめていたらそこに見えたのは一人で歩くけとくんの姿。
えっ!?って思わず立ち上がってジーっと窓の外を見つめると、顔をこちらに向けたけとくんと目が合ったんだ。
だからなのか、けとくんがこちらに向かって歩いてくる。
待って、心臓うるさい!
急に早鐘を鳴らす心音を落ち着かせるようにミルクティーを一口ゴクリと飲んだ。
「美月ちゃん!何してんの?」
ふわふわの髪とよく似合う極上の笑顔。
「あ、と、バイト終わりで一息ついてたんだけど。」
「隣いい?」
「あ、うん!」
2人がけの席、目の前にけとくんが座ってこっちを見ているなんて。
「あ、けとくんは何してたの?」
「あー。呼び出されたんだけど、途中で面倒になって。美月ちゃんが見えたから一緒に居たいなぁーって。ねぇなんでLINEくれないの?俺ずーっと待ってたのに。」
クルリと私の毛先を指で弄るけとくんは大きな目で真っ直ぐと私を見つめている。