「ゆき乃大丈夫?」
なっちゃんの声に薄らと目を開ける。「うん。痛くない。」そう言うと安心したようにポンと一つ私の頭を撫でた。
「落ち着いたら左も開けるね。」
「うん。」
今日はサークルの集まりで練習が終わったあとみんなで飲みに行く日だった。
当たり前に勇征も来る。
オーダーも何もする前になっちゃんと帰っちゃったから、私と勇征が一緒だった事はなっちゃんには伝わっていなくてよかったと思ってしまう。
「今年はグランピングかスノボかどっちかにしようかと思っててさ、冬の交流会!夏喜どう思う?」
黎弥くんが離れたソファーに座ってプロテインをシャカシャカ振りながらこっちを見た。
毎年うちのサークルは交流会を兼ねて2泊3日ないし3泊4日の旅行に行くことになっていた。
毎年スノボだったから自由参加で。
できない子もいるし、苦手な子もいるし。現に私は去年は不参加で。
まぁマネージャーだし。
なっちゃん達は相当楽しかったみたいだから今年は行こうかなぁって密かに思っていた。
「ゆき乃は?どっちがいい?」
「え?うーん。スノボはできそうもないけど、グランピングはちょっと楽しそう?でもどっちでも今年は行こうかなーって。」
「絶対グランピングで!」
なっちゃんの言葉に黎弥くんがガハハハって豪快に笑ったんだ。
次の瞬間、部室のドアがガラリと開いてサークルの仲間が入ってくる。
美月と颯ちゃんの後ろ、眠たそうな顔の勇征が入って来て一瞬目が合った。