「ピアス開けてんの?」
スっと隣に座って顔を覗き込む勇征。
「うん。」
「俺可愛いのいっぱいあるからあげるよ!いいよね?なっちゃん!」
勇征が私の左耳を冷やしているなっちゃんに確認するように聞くと至って普通に「どーぞ。」なんて言い放つ。
「ゆき乃さぁん、痛くない?でも可愛いそのファーストピアス!堀夏くんのプレゼント?」
美月が私の前に膝を着いて座って下から見上げて聞いた。
その顔が可愛くて思わず颯ちゃんを見るとしっかりと美月の後ろ姿を見つめていて。
それはそれで可愛いなんて思ってしまう。
颯ちゃんからしたら長い長い片想いなんだろうけど。
「うん。なっちゃんが買ってくれた。美月も一緒に開ける?」
「あかん。ゆき乃さんいらん事言わんといて。こいつすぐ真似したなるやん。あかんよ、美月は!」
彼氏…っていうか、保護者みたい!なんて思って笑ったら「親みたい颯太。」そうなっちゃんが笑った。
同じ感じ方に、それだけで嬉しくなる。
でもちょうど部室に入ってきた慧ちゃんが「えー美月ちゃんも開けようよ?俺プレゼントしてあげるよ? 」颯ちゃんを飛び越えて美月の肩をふわりと抱いた。
「け、けとくん!え、くれんの?」
「うん。俺が美月ちゃんに合うの探してあげるよ?」
「開ける!堀夏くん、私も開けたい!」
意気揚々と美月が言うものだから、なっちゃんの視線がこっちに飛んでくる。
いいの?って、なっちゃんの顔に書いてあるのは私じゃなくても分かりそうなくらい。
「おいメンヘラ!お前何言うてんねん!」
そりゃ怒るよね、颯ちゃん。
今の今、私に止めて!って言ったんだもん。
だけど、恋する女美月は慧ちゃんに夢中で、それを今この場で否定なんてできやしない。
「勇征、開けてあげてよ。」
面倒くさそうに勇征に投げるなっちゃんに苦笑い。
急にふられた勇征はキョトンとしてたけどすぐに美月を見てニッコリ微笑むと「もちろん!」なんて答えてしまう。