愛の証明4


そんな事があったからというもの、関わる前に日高くんを避け続けた翌日、まんまとネコに捕まった。



なんだろうか、この中学の先輩からの呼び出しみたいな感じ。

昼休みに一人飯を堪能していたら、どこで見られていたのか、目の前には未来ネコカップル。いや、コンビ!?

私を思いっきり残念そうに睨みつけていて。


「食べずらーい。」

「しぇんぱい、何してんの?」


ネコの低い声に苦笑い。未来は無言でパスタを頬張っている。


「ネコ、可愛い顔が化け猫みたいになってるよ。」

「ぷっ。」


私の言葉にネコの隣、未来が笑うもネコはムゥって頬を膨らませるだけで。


「日高っちのこと避けてるでしょ?」


核心を突かれて苦笑い。目を逸らして聞こえなりフリ…は無理そうで。


「そんなことない、」


それでも小さな強がりを口にすると盛大な溜め息をつかれた。


「なんでそんなに怖がるの?せっかくのチャンスなのに勿体ない。」


責めてるとかそんなんじゃなくて、ネコが本当に私を思っていってくれてるって重々分かっている。

いつだって私に懐いて楽しませてくれるネコだから、心配してくれてるって分かる。


でも、いけない。

あと5年したらネコにも分かるよ…


そう言いたいけど言っても今はきっと伝わらない。

恋を忘れたババアの行き着く先なんて目に見えている。

これ以上惨めになりたくないんだよ私は。


「若くて可愛いネコと私は違うから。」


嫌な女だってつくづく思う。ネコが私をそんな風に思うわけないし、いつだって笑顔で話しかけてくれているっていうのに、目の前で悲しそうな顔をするネコに何の言い訳もできなくて。


「ほら。」


ケチャップたっぷりつけたポテトを口に運ぶ未来に、パクっとそれを食べたネコはやっぱり悲しそう。


「ご飯不味くなっちゃうから行くね。」


立ち上がった私に「しぇんぱいは可愛いよ!日高っちの事ちゃんと見てあげなよ!似合ってるって思ったのに、2人!しぇんぱいみたいな強がり女には日高っちみたいな男があってる!って。」どさくさに紛れて強がり女扱いされたけれど、間違っちゃいないわけで。


「まぁでも、そのわだかまり取れなきゃ、竜太さんもそこまでの男なんじゃない?」


未来の言葉に苦笑いしたままお店を後にした。





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