プレゼン当日。
会議室で堂々と自分の作りたいものを披露している日高くんを見て胸がギュッと掴まれる。
なんていうか、男って一週間であんなに変わるの?ってくらいに、一社会人として日高くんが成長しているのが分かった。
「最後に…。」
そう言った日高くんは、その視線を一番後ろで見ていた私に向けた。
だからまた心臓がトクンと音を立てる。
「男としても、社会人としても自分はまだまだ未熟な出来損ないですが、それでもこの仕事をしている時は幸せだなって心から思えました。僕はこの会社に来てよかったです。今、すごく楽しいです!これで恋が実れば完璧ですけどね!」
ドッと笑いに包まれる。
こんな事を口に出すのも日高くんだけだろうし、これが許されるのも日高くんだけなんじゃないだろうか。
彼の持つ、底なしに明るいその性格が、今ここにいるみんなを笑顔にさせているんだって。
人を笑顔にさせるには、まずは自分が楽しむ事が大事だと、改めて日高くんに教わった気がした。
時間の無い中での準備は大変だったと思う。
それでもそれを苦とも思わず楽しむ事ができる日高くんは、貴重な存在だって思った。
私は、この人の見る景色が見たい。
その目で見る景色を、一緒に見たい…――――
「あーーー疲れた。めっちゃ緊張しました。」
フロアに戻ってそう言った日高くんをみんなが労う。
今日の夕方にはもう結果がでるわけで。
「ゆき乃さん。僕、どうでした?」
真っ先に私の所にやって来てそう言う日高くんは、ニカッと笑顔を見せた。
「まぁ、初のプレゼンにしては、よくできてたんじゃない!」
…素直じゃない。
最高だった、かっこよかったよ!!
ぐらい言ってもよかったのかもしれないのに、結局先輩面して偉そうに言ったのに、日高くんは屈託なく笑ってくれたんだ。
その笑顔に、どうしようもなく胸がギュッと痛いなんて。