それでもキミがすき5


「いらっしゃい!」


行きつけのラーメン屋の暖簾をくぐると、いつものメンバーがそこにいて苦笑い。


「おー翔太!夏喜!!こっちこっち!」


翔太くんとゆき乃と同じ三年の先輩二人。


「またあんたらか。」


思わず出た声に黎弥くんが「おい夏喜、なんてこと言うんだ!」って大声をあげる。その横で夏輝くんはニッコリ微笑むだけ。

黎弥くんは俺と同じでダンス部とサッカー部を掛け持ちしている。翔太くんと夏輝くんはダンス部オンリー。


「まぁいいじゃん!今日は俺の奢りなんだから食えよな!」


翔太くんの言葉に「え、翔太の奢り!?」当たり前に食いつく黎弥くんに俺も笑った。


「黎弥は自分で払えよな。夏喜は傷心だから特別!」


意味深な翔太くんの言葉に夏輝くんが「ゆき乃?」…――――「え?なんで、」まさかのバレてそうで。逆に黎弥くんはキョトンとしている。


「勇征と映画観に行くって教室出て行ったから。」


そういや夏輝くんも黎弥くんも翔太くんも、ゆき乃と同じクラスだ。翔太くんに続いて夏輝くんにも隠せそうにない。


「サワ、」

「いいよ、翔太くん。ちょっと調子にのったから痛い目見ただけ。」


水をゴクリと飲み込むと、4人分のラーメンが運ばれてきた。


「夏喜、ゆき乃が好きだったの?」


今更ながら黎弥くんの問いかけに思わずラーメンを吹き出しそうになった。


「勇征と付き合ってるのは知ってるし、勇征から奪おうなんて思ってないけど、どーしようもないみたい。」


ほんと馬鹿。わざわざダチの女に惚れるなんて馬鹿馬鹿しい。頭では分かっていても、どーにもできないこの気持ち。勇征から奪おうなんて思ってるわけじゃないのに、ゆき乃と接するとどーしようもなく独占したくなるなんて。





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