それでもキミがすき6


散々黎弥くんに色々突っ込まれた翌日、ダルくて一限が終わった瞬間、保健室へと行った。寝不足だし一眠りしよーって。


「先生頭痛い…、」


そう言って眉間にシワを寄せながら保健室のドアを開けるとそこに先生の姿はなくて。


「なんだ、いねぇのか。んじゃ勝手に寝ます。」


奥のベッドは半分カーテンがしまっていて誰か寝ているからその隣のベッドに座って上履きを脱いだ。


「なっちゃん?」


寝っ転がって目を閉じようとした瞬間、シャッとカーテンが開いて中からゆき乃が顔を出した。一瞬目をパチクリさせたけど、思いっきり起き上がる。


「あ、どうしたの?寝不足?」


やべ、髪乱れてない?制服をシャンと軽く手で整える俺を見てくすりと笑うんだ。その顔は青白くて。


「ちょっとお腹痛くて。先生ならいないよ!サボりでしょ、なっちゃんは。」

「…頭痛だよ、俺も。」


あきらかに見え透いた嘘だけど、「そーいう事にしといてあげるね。」またふわりと微笑んだんだ。


「ね、そっち行ってもいい?」


ベッドの上で足をパタパタさせるゆき乃が真っ直ぐ俺を見ていて。無言で隣を叩くと薄ら微笑んでこっちに来た。また甘い香りが鼻をついてドクンと心臓が音を立てた。


「なに?勇征と喧嘩でもした?」

「喧嘩してなきゃ喋ってくれない?」


下から俺を見つめあげるゆき乃は殺人的に可愛くて、そんな事言われてニヤつきそうになるのを必死で堪える。


「んな事ない。俺にしたら勇征邪魔なぐらい、」

「…邪魔?」

「うんだって、」


細いゆき乃の腕をそっと掴むと、ほんのり身体を背けようとする。それが余計に腹たってゆき乃の肩を押してベッドに押し倒した。

ふわりと髪が揺れて腫れぼったいゆき乃の唇を見つめるとそれがほんのり動く。


「なっちゃん?」

「夏喜。勇征と同じ呼び方じゃイヤ。」


指で唇をなぞる俺にゴクッとゆき乃が生唾飲み込む音が響いた。





- 6 -





←TOP