あの時から…3


社に戻って普通に仕事をこなしていても、時々我に返るように思い出す八木くんの笑顔。

あまりに整った綺麗な顔立ちだけどふわりと笑うと笑顔は優しくて可愛くて。

大学生相手に何考えてんだ!って何度も思ったけれど、どうにも自分の気持ちを誤魔化せそうもない…。



【帰りにお昼のドトールで女子会しない?】



定時間際、えみと美月とわたしの3人部屋LINEにそんなメッセージが届いた事で思わず頬が緩んだ。

だからか、隆二がわたしを見て「なんかいい事でも?」なんて聞かれた。



「ないよ。いつもの女子会に誘われただけ。」

「またかー。たまには俺とマンツーで食事でも行く気は無い?」


小首を傾げてわたしを覗き込む隆二は嫌いじゃない。

むしろ、好き。

でも…隆二だっていざって時はあつもはぐらかす。

こっちが冗談に受け止めると、何事も無かったかの様、サラリと話題を変えたりする。

どれが本音、なのかさっぱり分からないよ。



「ない、…こともないけど、」

「えっ!?マジで!?」


途端に笑顔に変わる隆二がちょっとだけ憎い。



「美味しいとこ、あるなら。」

「あるあるある、超あるよ!やった、やっとゆき乃さんが俺に興味持ってくれた。んじゃ来週の金曜日、予約しとくから!約束。」


スッと目の前に小指を出す隆二に、そっと絡めると指切りげんまんを満足気に歌って指を離したなんて。





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