「で、説明して貰おうじゃない!」
さすがにお昼にいたから夜まではいないようで、すっかり別の顔のスタッフがそこに立っていた。
とりあえずいつもの黒糖ラテを頼んだわたしを囲むえみと美月に苦笑い。
「そうですよーゆき乃さん。抜け駆けずるいー!」
そう言う美月だって臣の告白断ってるよね?
「別に大した事じゃないの。ただここ1ヶ月ぐらいわたしの癒しになってたっていうか、ね。」
もしかしたら、この気持ちは誰かに話したら大きくなってしまうような物なのかもしれない。
「癒し…どころじゃないでしょ?」
鋭いえみのツッコミに苦笑い。照れるわたしを見て目を細めて「ゆき乃さんっ可愛い!」なんて抱きつく美月。
「守ってくれたの、みんなで。」
意を決してわたしは一ヵ月前のあの日の事を2人に話したんだ。
「え、え、え、なにそれ、めちゃくちゃヤバい、カッコイイ!!八木、やるなぁ!!!」
美月が足をじたばたさせながらわたしの腕をぎゅうぎゅう掴んでいて。
えみはカフェラテを一口飲むとニッコリ微笑むんだ。
「それは、惚れるね!」
そんな風に言ってくれるからわたしの想いを吐き出しやすくなって。
「それからずっと気になってるの、」
「いや今の話だけであたしも好きになりそうっす!」
美月がそんな事言うからわたしも笑う。
「それは困る。美月とライバルだなんて勝てっこない。」
「相手にされませんよ、あたしが!」
ココアを口に含んだ美月に向かってえみがボソッと一言放ったんだ。
「そんなこと言って、登坂広臣虜にしてるくせに!」
ぶっ!!!って、えみの言葉にココアを吹きそうになる美月に爆笑。
まぁ本当の事だからねぇ。
あの登坂広臣を振り回してるんだから、この子。