お昼時は普通に混みあっているけれど、一席ぐらいはだいたい確保できる。
いつもの窓際に座って後ろで接客している八木くんの声に耳を澄ましているなんて誰にも言えない、はずだったのに、
「いたいた、ゆき乃さぁん、あたしも連れてってくださいよー!」
聞こえた声に振り返ると案の定というか予想通りというか、後輩の美月と同期のえみがニコニコ笑顔で立っていた。
「なぜここに?」
わたしの問いかけに「ごめん、つけた。」って肩にポンとえみの手が置かれた。隣の美月はちょっと不満気。
「ゆき乃さんいっつもお昼になると消えちゃうから気になって後つけました!」
悪びれた様子もなくリスみたいに歯を見せて笑う美月は可愛い。
超絶人見知りで、気を許した相手にしか全く懐かない美月がこうしてわたしやえみを慕ってくれるのは単純に嬉しいんだけれど、
偶然にもわたしの両サイドの人がトレーを持って席を立ったもんだから、すかさず2人ともわたしを囲むように椅子を引いてそこに座ったんだ。
「さて、ここに居る理由、吐いてもらおーじゃない!」
ニヒルなえみの微笑みにドキリと心臓が鳴ったなんて。