「ゆき乃さんごめん、あたしがトサカにLINEしたからだ。」
手を振るイケメン達を目に美月が首を竦めた。
ちょうどあちらもランチに繰り出したんだろう所に、タイミング良く美月のLINEが臣にいったんだろうって。
「致し方ない。どーせ席空いてないし無視するわ。えみは行ってもいいよ?」
えみの前でウインクやら投げチューやらを繰り返す男、営業部主任、山下健二郎。
絶賛えみと恋愛中。仲睦まじいカレカノで、そんな2人を見ていると恋はいいなーって思う訳で。
「いいの、いいの。ゆき乃の話聞きたいし、健ちゃんは帰ればいるから。」
「でもえみさん、じろさんはそうは思ってなさそーですよ。」
美月もわたしもクネクネダンスをしている健二郎くんに苦笑い。
「…無視、無視。」
そう言った途端、美月のスマホに臣からの着信。
「…出ます。…今無理だから!」
一言そう言ってプチってスマホを切るから今度はえみと2人で爆笑。
だからか、等々しびれをきらせた彼らがここ、ドトールの中に入ってきたんだ。
何となく店内がざわつくのはいつもの事。
3人揃ってイケメンだから仕方ない。