あの時から…1


初めてドトールを訪れたのは1ヶ月前だった。

お昼時間がなくて、手っ取り早く珈琲も飲める所!って入ったのがこの店だった。


「いらっしゃいませ!」


そこそこ混んでる店内だけど、発された声は明るく元気で、列に並ぶとすぐにドリンクを担当している八木くんが「店内ご利用のお客様は、先にお席の確保をお願い致します。」ってアナウンス。

あーそっか!って、わたしはすぐに窓際にある席にスカーフを置いてまた並んだ。


「いらっしゃいませ、当店は初めてですか?」


レジは店長バッジをつけた澤本くんで。

優しげでスマートなイケメンな澤本店長がニコリと微笑んでわたしは「はい。」小さく答えた。


「御来店ありがとうございます。ただ今期間限定でこちらのローストビーフサンドがお勧めですが、いかがでしょうか?」

「じゃあそれで。」

「ドリンクはいかがいたしますか?」

「…甘いのがいいんですけど、」

「それなら黒糖ラテがお勧めです!」

「じゃあそれで。」


ローストビーフは好きだったし、お勧めしてくれのは嬉しくて一瞬でこの店が好きになった。

よくよく見るとみんな楽しそうで。

ドリンクを担当している八木くん、フードの中島くん。洗い場の堀くん。

大学生なんだろーなーって。

だからそんな恋心を抱くことになるなんて思いもしなかったのに…





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