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「珍しい〜二人でランチ?」


お昼のチャイムと同時に奈々ちゃんを外に連れ出した所、敬浩くんと彼女のハルちゃんが俺らを見て声をかけてきた。

隣の奈々ちゃんが敬浩くんに向かってペコっと頭を下げると、不適な敬浩くんの笑みが届く。


「そっちこそ、結婚の準備は進んでるんすか?」

「まぁまぁだな、なぁ?」


クシャってハルちゃんの髪を撫でる敬浩くんは、普段俺らに見せないような優しい瞳で。

なんかそれだけで心がほっこりしてお腹いっぱいな気分になる。

敬浩くんでもこーゆう顔すんだって。

好きな人にだけ見せる顔なんて…いい響きだなぁ。


「何か、感じ違ってたね、敬浩くん」

「だな」


そう言って俺も甘い視線を奈々ちゃんに飛ばしてみる。

キョトンと俺を見上げている奈々ちゃんがめっちゃ可愛くて、どうしようもなく触れたい感情が湧き上がってくる。

でも俺達は現時点で恋人同士でも何でもない。

このもどかしい関係を断ち切るにはやっぱ「告白」しかないんだろうな。

そう思っているものの、奈々ちゃんの気持ちを知るのが怖いってこれまた弱気な訳で。

奈々ちゃん的には、今だに俺がゆき乃を好きだって思っているかもしれないし。

少なからず奈々ちゃんを好きだって態度は、結構出してきているはずだけど…

それが本人に届いているんかは正直よく分からない。

考えた挙句…―――


「あ、青信号、青信号!行こう」


スッと横にいる奈々ちゃんの腕を掴む事で、小さな欲求を満たすだけ。

手繋ぐ…こともできないのね、俺って。


「あっちのカップルより先にお店入ろう」


なんて俺のドキドキするような努力を簡単にギャグに変えてしまえる奈々ちゃんを、早く抱きしめたくて…

美味しそうにパスタを頬張る奈々ちゃんも、俺だけに見せる顔…くれないかなぁ…

終始そんな事を思っていたんだ。


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そんな幸せな日々がそう長く続くこともなく。


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