翌日。
ギリギリまで休もうと思っていたあたしは、それでも昨日なっちゃんからきたメールを見て出勤の準備をした。
【莉子さん心配してきてくれたんだぞ。辛いけど莉子さん責めるのはNGね。我慢出来なかったら俺がいくらでも聞いてやるから頑張ろ!】
朝から涙腺が緩んでしまった。
時間ギリギリ間に合ったあたしは、心配しているだろう莉子さんに謝ったけど、あたしが泣いていたのもその理由も何も聞かれることなく普段通りに接してくれて、もうどうしようもなく自分が空しく思えた。
どうやったって勝てない。
莉子さんにはどうやったって敵わないってやっぱりそう思うしかなくて…
「黎弥…」
「ん?」
その日の定時を過ぎた頃、あたしはひっそりと黎弥の席に行った。
忙しそうにPCを弄っている手を止めた黎弥は心なしか元気がないように見える。
「ちょっといいかな?」
「どした?」
二人で一緒に帰って、こ洒落た公園のブランコに座る。
何だか子供に戻ったみたいなあたし達。
「なんかこうやってお前と二人で話すの初めてかもな」
「うん」
「なんだよ、大人しいじゃん」
隣でフワリと笑う黎弥。
サラサラと鳴る風の音はほんのり優しくって…
「莉子さんと何かあったの?」
気になったことを聞いてみた。
ほんの一瞬目を大きく見開いた黎弥は「ハハ」って笑う。
ブランコをグイグイ漕いでポーンっと飛び降りた。
綺麗に着地して、あたしの前にある柵に座った黎弥はつぶらな目を緩やかに細めた。
「お前、何でも分かるんだな…俺のこと」
「うん」
「そうか…。…まあ、あれだ…フラレた!!」
空元気って感じに黎弥が笑った。
無理に笑っている黎弥なんて見たくもなくって…
「何で笑うの?」
「はぁ?」
ちょっとだけ不機嫌な黎弥の声が届いた。
「辛いなら泣けばいいじゃん!どうして笑ってるの?」
そう言ってるあたしの方が泣きそうで。
実際半分泣いていて、震える声と震える肩があたしを更に弱く見せてしまう。