休日が開けて又新しい週が始まった。
結局あたしはほぼ毎日のようにシフトインしていて。
でも、午前中は夏喜さんが来るかもしれないからって、午後にシフトを変えて貰ったりしていた。
避けているって訳じゃないけど、どんな顔をすればいいのかがやっぱり分からなくて。
午後は又、夕方が過ぎると段々人が少なくなってきた。
考えてみたらアフターをわざわざ会社のカフェで過ごす社員さんなんていないか!って納得した。
でも最近よく毎日のように来ている人がいて…
あたしは今度はその人が気になってしまった。
その人は女性社員さんで、
いつも紙袋を持って来ていた。
そこに何が入っているのか分からないけど、すごく大事そうに見つめていて…
20時過ぎになるとその紙袋を持ってお店から出て行くのが日課だった。
アッサムティーを一杯飲んでいるその人は、
時計を気にしながら、心を落ち着かせているようにも見えた。
次の週もその人は20時前にお店に来て、アッサムティーを飲んでしばらくすると出て行って…
木曜日の今日、いつも通りカフェ;はぴねすにやってきたその人は窓際の席に座って頬杖をついて外の景色を眺めていた。
しばらくするとカランってドアが開いて垂れ目の男性社員さんが入って来て、あの人と同じアッサムティーと小さなスイーツ菓子を一つ買って、あの人の隣に座った。
「竜太くん、どうしたの?」
「お前、黎弥にもう一回ちゃんと言ったら?」
「…怖い」
「俺が思うにたぶん黎弥、お前のこと…莉子さんのことよりお前のこと…」
少し曖昧に言葉を濁す“竜太くん”さんは、透き通った甘い声で優しくそう言った。
運よく今の所お店に入って来そうな人はいなくて…
あたしはその話を聞いてないフリして聞いていた。
「黎弥はね、莉子さんにフラれて寂しかったんだよ。あたしの気持ちずっと知ってたって…。あたし分かってるんだぁ、利用されてるって…。利用って言い方だとちょっと嫌な奴って思うかもしれないけど…あたしはそれでもいいの。どうしても黎弥が好きなの…。竜太くんがね、心配してくれる気持ちすごいありがたいけど…どんな形であっても黎弥の傍にいたい…それだけで嬉しいの」
「それなら尚更言えよ?」
「だってまだ二週間もたってないじゃん! そんな簡単に人の気持ちなんて変わらないでしょう? あたしまた傷つくのなんて嫌なんだもん!」
ちょっと荒ぶった感情のまま、泣いちゃいそうな声だった。