恋愛に痛手はつきもの6


その夜、仲間うちで飲み会があった。

あたし達若手は何かにつけてそういう場を設けて飲み会をやっている。

単に酒好きが多いってだけなんだろうけど。


ただ今日は、松本部長の送別会。

という名の飲み会。

送別会だと一応会社からお金が出るから今日は参加率が高くて、それ以前に松本さんは人望が厚くてとっても頼りになる人だからみんなが集まったっていうのだけど。

特に黎弥くん達同期はお世話になったようで、松本さんの周りを囲んで騒いでいた。

あたしは勿論美桜ちゃんとゆき乃ちゃんとガールズトーク炸裂させていて、いつも聞きそびれていたそれをゆき乃ちゃんに聞いてみた。



「ゆき乃ちゃんって、彼氏いないの?」


何だか今更感満載の質問で、聞かれたゆき乃ちゃんは吃驚しつつもほんの一瞬目線が動いた。

その視線の先は、松本さんを囲んでいる黎弥くん達の方で…


「いません」


キッパリそう言ったゆき乃ちゃんにあたしはちょっと近寄った。


「じゃあ好きな人は?」

「いませんって」

「うそうそ!今黎弥くん達の方見たじゃん!!」


そう言うと、耳まで真っ赤になるゆき乃ちゃん。

隣の美桜ちゃんも興味津々に聞いていて。


「見てません!莉子さん違う。間違い!」


あくまで否定するゆき乃ちゃんは、墓穴を掘ったように余計怪しくて。


「日高くんと超仲良しだよね?北人くんも黎弥くんも…でも一番はやっぱ、なっちゃんとが合ってる気がするなぁ〜あたし」


横から飛び出した美桜ちゃんの言葉に、いっそう顔が赤くなるゆき乃ちゃん。

この反応からして確実に今言った中にいるなってそう思った。


「日高くんでしょ?」


確かに並んで歩く分にはゆき乃ちゃんとなっちゃんこと、夏喜くんは超お似合い。

でもあたしやっぱり日高くんだと思うんだよなぁ〜。

だって何となく黎弥くんや北人くんとは違う空気流れている気がするもん!


「違います。なっちゃんでも、竜太くんでもないです!!」

「「じゃあ誰?」」


美桜ちゃんとあたしの声が被って、泣きそうなゆき乃ちゃんの顔が可愛いなぁ〜なんて思っちゃった矢先に、松本さんを囲んでいるテーブルから歓声と拍手が上がった。