そんなこんなでやってきた飲み会当日。
無駄にお洒落な店を選んだ直人はちょっとだけ得意げだった。
どうせ大好きなゆき乃と色々店を回る口実で楽しんだんだろうと。
ま、俺にはどーでもいいんだけど!
人が段々集まって来て、俺の汐莉さんの姿もきっちり確認した。
とりあえずはゆき乃と一緒にいるみたいで。
こっちに呼びたいのは山々だけど、偉いさんの相手をしねぇといけない俺の所に呼ぶと余計に気を遣わせることにもなり…
どーしよ〜…
それでも目はチラチラと彼女を追っていて、たまにバチっと目が合ったりもする。
たまにってゆうか、結構よく合うし!
マジもしかして俺の事好きなんじゃねぇの?な〜んて自惚れたくなる程に!
「あの、佐藤さん」
「はいっ?」
そんな事思いながらトイレに行った時だった。
戻って来た俺を掴まえるその声は、俺の汐莉さんで…。
黒いパンツスーツ姿の汐莉さんは、長く綺麗な黒髪を靡かせて俺を待っていた。
「あの、誘って頂いて有難うございました」
そう言って丁寧に頭を下げた。
サラっと髪が落ちてシャンプーの甘い香りが俺に届いた。
「い〜え、いえっ!ぜ〜んぜんっ!迷惑とかじゃなかったですか?週末の夜なんて彼氏に申し訳ないっすよ〜」
自分で空しくなるような事を言いながらも「NO」の返事を期待していて。
「いえ、残念ながら待ってる人はいないので…」
ちょっと苦笑い気味にそう言う俺の汐莉さん。
内心ガッツポーズをしたのは置いといて。
「え?本当?本当に彼氏いないの?」
「いませんよー。佐藤さんこそ可愛い彼女が待ってるんじゃないんですか?」
あーまぁー…目の前になっ!!
なんて言える訳もなく。
「いません!」
「うそ、モテそうなのに」
そうだろー!
モテたっておかしくない容姿は持ってるんです、ボク。
それなのに、おかしいだろぉ―。
「いや〜中々ねっ」
「そうですね」
遠慮がちに微笑むその姿は品があって、下流の女とはやっぱり一味違う気がした。
「あ、会費…本当にいいんですか?」
「勿論っすよ!あの、俺あっちばっかですんませんっ、本当はサシで飲みたいくらいなのに…」
「佐藤さんお酒好きなんですか?」
「ん〜まぁ、そこそこ!汐莉さんは?」
「うん、好き」