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「ちょっと敬浩、見すぎだよっ!ハルがいるのに!」

「…美人には目がねぇの……嘘だって!」


ほどよく満更でもなさそうな敬浩とハルちゃん。


「…俺やっぱ寂しい…」


って嘆く独り身の直人。


「どうなの?汐莉さん的に…聞いてねぇの?」

「んふ…まぁ聞いてないことはないけど!」


耳元で囁きあう良平とゆき乃。

そんな会話が繰り広げられていたなんて思いもせず…。


「あぶれる、あぶれる!」


そう喚いていた直人は、しっかりあぶれて…

終いには「もう俺ずっと独り身を貫くよ!」って意味不明な言い訳なんかしていた。

哲也の彼女の香澄ちゃんだけは、そんな直人を切なそうに見つめていた。

でもその手はしっかりと哲也と繋がれていて…どこまでも悲しい男、直人に早く春がくればいいな…って本気で思った。

まぁ、そんなことすぐに忘れたけど!


カラオケは当たり前に俺と汐莉さんの勝利で、その流れのままボーリングに行った。

とりあえず最下位だった良平とゆき乃は、ここでも最下位決定になりそうで。

カラオケで良平に散々足を引っ張られたゆき乃は、苦手のボーリングで足を引っ張り返す大技を決めた。


「汐莉、ズルイ!」

「え?」

「あのね、知ってる?ボーリングって女はうますぎてもダメなんだよ!」


完全に負け犬の遠吠え状態で。

ゆき乃の言う通り、多少なりとも…せめて男よりは低いスコアを期待していた俺の度肝を拭くかのよう、120ってスコアを出す汐莉さんは、普段仕事の時には決して見せないだろう笑顔を振り撒いていた。

それはストライクを出す度に俺に「イエ――イ!」って手を合わせるようなハイテンションで。

酒が入ってるのもそうだろうけど、そんな意外な一面も見れて密かに幸せを感じていた。

品のある見た目とは別で、その性格は知れば知るほど……まぁ、お茶目な子だった。


「あたし学生の頃週一で行ってたから!近所にあるの、ボーリング場が」


なんて笑う彼女の笑顔は眩しくて。


「ホント、お前教えて貰えよ」



なんてゆき乃に言うも、その隣にいる汐莉さんばっか見てる俺って。