…本当にしたことないの?
そう疑いたくなるくらいになっちゃんのキスはすごくて。
ていうか私がしたことないだけで、だからすごいって思うのかもしれなくて…。
「ンッ…」
思わず漏れた声にドキンと胸が弾けた。
「ゆき乃…」
なっちゃんから出たその声すら、初めて聞くような何ともいえない声色で…。
「待っ…」
胸を押してなっちゃんから離れる私に苦笑いを零した。
頭をわしゃわしゃ掻いて小さくタメ息をつくなっちゃん。
「…やっば…俺、無理かも…」
俯いて項垂れるなっちゃんがこの期に及んで何だか可愛く見えて。
キャンドルの灯りに照らされたなっちゃんはすごく色っぽい。
「なっちゃん?」
「うん?」
「何が無理?」
「この状況でゆき乃に何もしないこと…」
ここまで言われてなっちゃんの私への気持ちを疑うすべもなくて。
私の気持ちを考えて自分の理性を押し殺しているように見えるなっちゃんを嬉しく思うんだ。
いきなりの展開だったからどうしたらいいのか分からないのが事実で。
なっちゃんのことがずっと好きだったから…イイ…と思えばイイのかもしれない。
でも、いざ触れられるとやっぱり緊張しちゃって、初めてだし…
「なっちゃん…」
「ん〜?」
「あの…いいよ…」
「え?」
「だから…いいよ、シても…」
私の言葉に瞳をパチクリさせていて。
勇気出して言ったもののなっちゃんはキョトンとしている。
「え、けど…」
気が変わらないうちに…そう思ってキャンドルの灯りを消すと部屋が一気に真っ暗になった。
だからそのままなっちゃんの手を引いてベッドの上に座った。