初恋1


【side 雪乃】


「…え、これユーセイが?」
「さすがにこれは僕じゃ作れないです。ちょっとずるしました。」


テーブルに並べられた沢山の料理に溜息が漏れそうになった。


「お腹空いてます?」
「うん。でも思ったより早く残業が終わって。ユーセイの声聞いたら色々吹っ飛んだ。」
「…僕も、です。雪乃さんにずっと逢いたくて…。」
「…夏喜、の、ことだけど、ちゃんと終わりにするから。」


まずはこれをちゃんとユーセイに伝えないといけない。夏喜とのセフレ関係をゼロにしてから会いにくるべきだったかもしれないけど、それでも今会いたいって気持ちに嘘がつけなくて。

今日会いたくてここまで来ちゃった自分が、恋してるようで、ちょっと笑える。


「信じて待ってます。」
「後ね、LINE沢山嬉しかった。もういいやって思って無視してやろうってそう思ってたんだけど。…ユーセイがあんなキスするから。あんな愛に溢れたキスしたから…私やっぱりおかしいの。こんな風に恋してるみたいな自分、柄じゃないの。でもそんな事どーでもいいくらい、今日ユーセイに会いたいと思った。」
「雪乃さん。」


ソファーに座った私の前で、両手を掴んで握ると、ユーセイが立膝ついて私を見つめる。


「私に言いたいこと、あるのよね?」


ユーセイの手をキュって握り返すと、ほんのり照れた笑い顔。小さく頷くユーセイは、真っ直ぐに視線をぶつける。


「愛してます。僕と付き合ってください。」


内心ガッツポーズをしたけど、せっかくだから楽しみたい。

口端を緩めると私はユーセイをジトっと見つめた。


「その台詞、私以外に言ってないよね?」
「え?言うわけないじゃないですか!僕は雪乃さんしか興味がないのに!」
「どこが好き?どこが愛してる?」


質問返しにされてユーセイがまた困った様に照れ笑い。


「答えなきゃ私も答えない。」
「…僕にないもの雪乃さんは全部持ってます。最初は単なる憧れだったかもしれないけど、気づくと目が追ってて、いつもあなたを探してた。雪乃さんのこと、僕が幸せにしてあげたいって、そう思ってます。」


…聞かなきゃよかった。だってなんか想像以上に感動してる。よく分からないけど、ユーセイは私の事ずって見ててくれたってことだよね?


「なによ、真面目に答えて。」
「だって俺、雪乃が欲しいもん。」


初めて男って感じ、ユーセイから強烈な色気を感じたなんて。