「澤くんに報告があって。」
お昼休み、勇征と一緒に澤くんを連れていつものパスタ屋さんに入る。勿論隣に座ったのは勇征で。そんな私達を見てにっこり微笑むとこちらから報告する前に「おめでとう、よかったね、雪乃ちゃん!」分かりきった澤くんの言葉に苦笑い。
一瞬キョトンとした後、すぐに私を見つめる勇征。
「勇征が私のこと好きなの気づいてたって、澤くんは。」
「えっ!?そうなんですか?」
真っ赤に照れる勇征が可愛くて太股に手を添えると苦笑い。
「雪乃さん、」
「でも内緒にしておいて。変に詮索されるのも御免だから。」
うん、って言いながらも澤くんが笑っていたのは、澤くん以外もみんな気づいていたからだって後から知るんだけど。
お昼を終えて受付に顔を出すと、安定の香澄ちゃんと莉子ちゃんが笑顔で手を振る。
「さわなつ先輩ぃ、飲みに行きたい。」
浮気女香澄ちゃんは、どうやら最愛の恋人健太くんに別れ話を持ち出されたらしく、ここんとこちょっと元気がない。
莉子ちゃんに関しては私も勇征も澤くんもよく知る営業部の青山くんと付き合っているみたいで、その事実を知った時は吃驚だった。だけど運送業者の若い子と浮気しちゃった事を激しく後悔していて、青山くんにバレないように必死だとか。
「いいけど、彼氏大丈夫?」
「いいの、健太なんて。あたしもっと大人の恋がいい。大人の男と付き合う!」
澤くんの腕にキュって抱きつく香澄ちゃんだけど、「すいません。」ちょうど受付に来たお客さんにサッと衝立の中に戻った。だけどその訳がすぐに分かる。だって隣で莉子ちゃんが眉間に皺を寄せている。
「誰今の!?めちゃくちゃかっこいいんだけど!」
「土田って書いてあるよ、名前。てかさ、香澄さ、分かってるよね?今健太くんと別れの危機なの、」
「…でも死ぬ程どタイプだったかも、」
相変わらずの光景に勇征と目を合わせて笑った。