パチ。
目が覚めると頭がガンガンで。だけど何かが違う。ふわふわの掛け布団と、高級そうなマットレス。いやここうちじゃねぇし!
「あたたた。頭いた。」
手を着いて起き上がったものの、ここがどこなのかさっぱり分からなくて。なんとなく覚えているのはそう、
「ユーセイ!?」
カチャっと部屋から出ると咥え煙草で短パン一枚履いてるだけのユーセイがキッチンで珈琲を煎れている。
その6つに、いや8つに割れた完璧な腹筋に思わず二度見する。
「おはようございます。二日酔い、大丈夫ですか?薬ありますよ。」
「ここ、ユーセイの家?」
キョロキョロと見回す私にクスっと笑すって「やっぱり覚えてないかー。」なんて言うんだ。
「僕の家です、ここ。安心してください。何もしてませんので。」
ハッとして、自分の服が無いことに今更気づく。これはたぶんユーセイのTシャツ。それを一枚ペロッと着ているだけだ。大きいからギリギリワンピース状態。だけどなんでこの格好なのかも全く思い出せない。頭使うとそれだけでガンガンで。
「薬、貰います。」
用意された水と錠剤を飲み込んだ。
「仕事、行けそうですか?車、出しましょうか?」
「あ、着替えないと。あの服じゃ行けない。午後から行くわ。だから駅まで送ってくれる?」
「はい。」
…断片的に何となく記憶があるような、ないようななんだかよく分からない感覚だった。
「…BMW。ユーセイってお金持ち?」
サングラスをかけて運転席に乗り込むユーセイからはスポーティな香りが漂っていて。この車もだけど、このマンションの外観も今更ながらやばくない?確か部屋もかなり上の方、だったよね。ベッドもふかふかで、ダイニングキッチンも15畳ぐらいの広さで、映画館かよ?ってくらいのでけぇテレビもあって。
「普通ですよ。」
「どこが?あんな生活してたら凡人の気持ちなんて分からないでしょ?」
「そんなことないですって。僕普段は地味ですし。」
「…サングラス、グッチ。時計、ロレックス…。サンダルはヴィトン?普通の給料じゃ買えないわよね?」
何故か口端を緩めてご機嫌なユーセイ。