君じゃなきゃ3


「彼氏いたんだ?慧人は知らないだろーけど。」
「…まぁ。」
「最近慧人楽しそうで…ちょっと可哀相。莉子のせいじゃないけど。」


そうだけど、ちょっと責められているように思えて。


「あ、煙草買ってもいい?」
「あ、うん。」
「彼氏は煙草吸うの?」
「まぁ普通に。」
「へぇ〜どんな人?」
「どんなって…かっこいいよ。優しいし、」


トンって煙草売り場の自販に私を押し付ける慎くん。ふわりと髪が揺れて至近距離、慎くんの頬を掠った。見つめる慎くんは真剣で…ゆっくりと私の髪をすくと「…シルバー入ってる女初めて見た。耳朶…可愛いね。」ペロリとピアスのついた耳朶を口に含まれてゾクリとする。

自販についた手に指を絡めた慎くんはキスなんてすることなく、ただ二度程私の耳朶を甘く舐めると、ニヤリと口端を緩めて離れたんだ。

吃驚するぐらい心臓が脈打っていて…気を抜いたらその場に崩れ落ちそうなくらい。


「LINE教えてよ。」


そんな誘惑にどうしても勝てなかった馬鹿な私。

その舌の温もりと感触が、どうしても忘れられないなんて…―――最悪だ。



翌日、事件は起こった。


「健太にバレた。」


ストンっと覇気のない顔で椅子に座った香澄は、寝ていないのか目の下にクマなんて作っていて。


「え。何が?」
「亜嵐くんとえっちしたのが、健太にバレた。」


突拍子のない香澄の言葉に苦笑い。いやいやバレたってどーいうことよ!?


「ちょっとわかんないけど、香澄の言ってる事。」
「だからね、亜嵐くんとえっちしたのが、健太にバレたの、どーしよう?」


…えっと簡単にいうと、浮気したの?