―――その知らせは意外なところからやってきたんだ。
なんだかんだで慎くんを拒否できない私は、当然ながらボロが出ないように慎くんと会ってる時はスマホの電源を切っていた。でも逆にそれがきっとよくなかったんだって。
夜23時。
スマホの電源を入れた瞬間、LINEが大量に入ってきた。
「…え、」
足を止めた私に隣にいた慎くんが視線をよこす。決して陸ちゃんに不満がある訳じゃない。でも若いこの慎くんの愛し方…それはとても刺激的で癖になっていたなんて笑えない。
【莉子ちゃん。青山くん気付いてるよ…。サヤマ急便とのこと…。】
編集部にいる雪乃さんからのメッセージから目が離せない。だってそんなわけない。陸ちゃんにバレるようなことは何もないはず…。でもそれは香澄の耳にも入っていて、とにかく私と話したいって香澄の切羽詰まったLINEに足が震えた。
一度だけ慎くんに「…慎くん。もう止めよう、こんなの。私やっぱり無理だよ。」そう言ってみたこともある、これでも。だけどその返事は…「ずるいよ莉子さん。遊びなら最初からしなきゃいいじゃん。俺は別れない。」…やばいと思うどころか、私って女に執着してくれていることが妙に嬉しくて…簡単に別れられるもんじゃないとわかっていながらもこの関係を続けてきたんだった。
スマホを覗き込んだ慎くんが「案外早かったね!」なんて言いながらも、私の肩に腕を回す。そのまま耳にちゅうって吸い付くようにキスをするから「やめてよっ!」今更ながら慎くんの腕を振り払った。
「………、」
無言で私を見つめる慎くんの表情は切なくて。そんな目で見ないで欲しい。そんな風に責めないで欲しい…―――心がポキっと折れそうな自分がそこにいた。
―――ピンポーン。
ガチャっとドアを開けると香澄が目に入る。「馬鹿だよ莉子。」って私の腕を引いて奥まで誘導される。色々考慮して貰ってここは雪乃さんの彼氏、バーテンユーセイの家だった。