「おはようございまーす!」
陸ちゃんと並んで社内に入ると、香澄が眉毛を下げて微笑んだ。逐一私の話を聞いてくれた香澄に感謝しかない。
慎くんのことを相談した時も「悪いけどあたしは陸がいいと思ってる。」って。
「なんだより戻したの?」
冗談で悪口叩く香澄に「いやいや別れてねぇし!」って陸ちゃんが突っ込む。
「それよか香澄ちゃんも、そろそろ健太とちゃんとより戻さないとやばくない?」
「…あたしがフラれたのに?別れようって言ったの健太だけど?」
「そうかもだけど、ちゃんと分かってやって、健太の事。」
残念そうな顔をした香澄が、私を見て大きく溜息をついた。
「サヤマの男のがよかったかもね!」
「ちょっと!!!」
陸が香澄を軽くドついた時、ちょうど朝一のサヤマ急便が受付にやってきた。…ドキっとしながら見ると、慧人くんでも慎くんでもなくて銀髪の馬顔。
「本日からこちらの担当に配属になりました、坂本いいます。よろしくお願いします。」
聞き慣れない関西弁にペコっと頭を下げた。
「あの前の担当さんは?」
「あー木村と長谷川は就活やって辞めましてね。元々短期やったし。」
「そっか。辞めたんだ。」
ほんの少し寂しいと思うのは、最後の最後で慎くんが涙を見せたからだって。私を覗き込む陸ちゃんに「今日は何食べたい?」って気にしてないって顔を見せると、肩を抱かれて「まず莉子。」なんて下ネタ。
さも面倒そうな顔をした香澄を横目に陸ちゃんと二人目を合わせて笑いあった。
私も、陸ちゃんじゃなきゃダメなんだって。
*END*