「元気の無い香澄なんて、香澄じゃないみたい。」
莉子にご飯を誘われて顔を出すとそこにいは莉子の彼氏の青山がニカっと笑って手を振った。…げ、今あたし2人がイチャイチャしてるの見る余裕なんて1ミリもないんだけど。
大袈裟に溜息をついてお店から出ようとした瞬間、後ろから甘い香り。
振り返るとさわなつ先輩と同じ部署の雪乃さんと、その彼氏のバーテンユーセイが揃って歩いて来ていて。まさか同室!?
「あれ、入らないの?」
雪乃さんのソプラノボイスがあたしに届く。やっぱり同室なんじゃんって。
「こんばんは。」
ノーテンキなバーテンユーセイの挨拶にあたしは盛大な溜息をついた。
「………、ねぇ!今日ってあたしの慰め会的なもんじゃないのっ!?」
ダンッと手を着いて立ち上がる。莉子と青山。雪乃さんとユーセイ。独りぼっちなあたしにはキツイ。なんでわざわざイチャイチャしてる奴らとご飯食べなきゃなのよ。
こんな時、健太がいたら…―――「健太に逢いたい。なんでここにいないの、健太…。帰ってきてよ、健太ぁ…。」なんかもう涙腺ぶっ壊れてるのか、涙が止まらなくて。
カタンと、その場にしゃがみ込むあたしにふわりと莉子の手が肩に触れる。
「やっと言ったね、香澄。」
「…なによ、」
「陸ちゃん、」
見ると青山はここから出て行く。すぐに戻って来たそこには、逢いたいと願っていた健太がいたんだ。