君と本気の恋8


「あっ、陸ちゃん、雪乃さん、八木さん、えっと、そう、煙草!煙草きれてる。4人で買いに行きましょう!」
「あ、うん。そうだ、ユーセイ、煙草!」
「あ、はい。」


そそくさと立ち上がるみんなに笑いが込み上げる。青山が「健太、10分な!」偉そうにそう言って出て行った。


「青山のくせに、」
「でも陸さん心配してくれてた。自分達も大変な中。あの人も香澄ちゃんの浮気許したでかい男だから、俺も負けてらんねぇ。」


そうだった、あたしも莉子も所詮浮気女。だけど、浮気で終わる恋はもうしない。あたしは健太と本気の恋がしたい、この先もずっと、ずっと、健太とだけ。

ゆっくりと近づく健太に、目を閉じようとした瞬間、ふと脳裏に浮かんだ、


「待って。なんで合鍵置いて出てったの?別れようって、」
「あぁ、頭冷やせって。最初から別れるつもりなんてなかったけど、それじゃ同じこと繰り返すだけかな?って俺なりに考えて、」
「…よかった。」


ギュッと健太に抱きつくと「30秒も過ぎた。」そう言ってフライング気味に唇が重なる。

亜嵐くんとも、土田とも違う健太のキス。あたしにはこれが1番だってよくよく分かった。鼻の頭を擦り付けて「香澄、」小さく名前を呼ぶ健太を見つめる。

ほほに添えた手を首の後ろに回してあたしを引き寄せてまたキス。ほんの空いた隙間から入り込む舌で口内を甘く舐め絡める濃厚キスに身体が痺れそう。

夢中で健太と久しぶりのキスを繰り返していたら「いやもう20分キスしてるから、お前ら!」いい加減にしろって顔で青山が個室のドアを開けた。名残惜しく唇を離した健太の口は、あたしのグロスが軽くついていてちょっとだけピンク色。それを見て爆笑している莉子と雪乃さん。雪乃さんの彼氏のバーテンユーセイだけは、ほっこりした顔であたし達を見守ってくれていたんだ。


「今日は勇征の奢りだからいっぱい食べよ。香澄ちゃん、お誕生日おめでとう!」


パーンってクラッカーを鳴らすみんなにあたしは笑顔で「ありがとう!」そう答えた。



*END*