一年に一回の男3


ーーーー要するに身体の相性がよかったら、顔のいい男は魅力的で。


「感度いいのな、お前。」


開いた足の中央、ペロリと唇を舐めた金髪はそう小さく呟いた。酔ってるせいか身体がすこぶる重たい。キスをせがむように腕を伸ばすと、それを空中でキャッチしてキュッと指を絡めた。大きな身体ごと私の上に乗っかって迷うこと無く唇を重ねる。

夢中で何度もキスをした。自分が酔ってることも全部忘れて、この金髪の愛し方を身体全部に刻ませるように。


だから翌朝、目覚めた私は少しあやふやながらもちゃんと覚えていて。


「名前、教えてよ。」


微睡むベッドの中、見た目以上に分厚い胸板に顔を埋めて聞く。


「覚えてんの?」


ちょっと掠れた声と、面倒そうな表情。


「うん。私雪乃。」
「知ってる。友達が雪乃さんって言ってたの聞こえたし。…俺は夏喜。」
「ナツキ?」
「うん。夏に喜ぶって書いて、夏喜。」
「夏生まれなの?」
「まぁ、そう。」
「ふふ、そっか。夏喜。」


ギュッて抱きつくとポスッて頭を軽く撫でられる。


「…昨日、付き合ってた女と別れて、誰でもいいからって思ってた。」
「…うん。どうだった、私?」
「え、どう?」
「雪乃選んでよかった?」


だって悔しいじゃない。誰でもいいからで選ばれただけなんて。それでも人間には人には分からない闇なんてもんが沢山ある。


「まぁ、うん。あんた可愛かったし。」
「私は昨日、誰でもよかったんじゃなくて、夏喜を選んだんだよ!夏喜じゃなかったら抱かれてない。こんないい男と別れる女は、馬鹿女よ。まぁでも馬鹿女のお陰で私は夏喜と出会えたんだけどね。」


ギュッと背中を強く抱くと小さく息を漏らす。


「途中で帰ろうかと思ったけど、雪乃の事もっと知りたいって、」
「あ、ダメ。顔のいい男はデートしてもつまんないから人生のパートナーには選ばないの。だから夏喜にはこの身体だけあげるね!」


すこぶる吃驚した顔で私を覗き込む。


「それって、セフレって事?」
「簡単に言うと、そう!」
「はは、まぁそれでもいいよ。また会ってよ俺と。」
「勿論!」
「…じゃあもう一回抱かせて。」
「気が合うね。」


ふわりと笑ったら夏喜のちょっとだけ強引なキスが舞い降りた。