「ハルー!!!」
「雪乃さーん!」
横断歩道の向こう側からぴょこぴょこ走ってきたハルは、私の腕に絡みついた。
「二日連続会えるなんて嬉しいなぁ!」
「…あ、そう。だって一人でクラブ行くのもあれだし。」
ユーセイが次いつシフトに入るのか聞いたら「雪乃さんが会いたいって言ってくれたらいつでも入ります。」なんて可愛い事を言われた。…今朝の信号待ちのキスを思い出してちょっとだけ気持ちが昂る。
そんな私を見てハルがいぶかしげに首を傾げた。
「え、まさかユーセイに抱かれてないよね?」
ギュって抱きつくハルを無視して私はクラブの入口に立つ。このドアを開けたらきっとユーセイがいるはず。そう思うとつい頬も緩んじゃって。
「答えてよぉ、雪乃さぁん!」
「嫌よ。答えない方がハルの為かもよ?」
「はああああ――ー!?!…ユーセイ嫌い。」
「ぶ。あんたねぇ。いつも言ってるけど、私男にしか興味ないから。」
「ハルは雪乃さん限定だもん。」
「そういうのいらないからね。」
「…うう、くっそう。」
いざ!ってクラブのドアを開けると、大きなミラーボウルがくるくる回っていて、奥にあるバーのカウンターにユーセイの姿があった。
今朝会ったままのその姿にまた頬が緩む。
…だけど、先約なのかなんなのか、知らない露出狂のギャルがカウンターで肘をついてユーセイと話している。
「どけよ、ブス。」
「出てる、出てる、声出てるよ、雪乃さん!」
ハルがくすくす笑いながら私の腕にまた絡みつく。なんか腹立つ。あそこって私の居場所、だよね?他の女に居座られていい気がしないわけで。
一歩ユーセイの方に踏み出した瞬間…「雪乃!?」手首を掴まれた。
ふわりと女っぽい香りが舞った。