「あ、夏喜。来てたんだ?」
「おー。何一人?あ、ハルも一緒じゃん!」
…嬉しいけど、今はほおっておいてくんねぇかな?なんて思いながらも夏喜を邪険にはできなくて。
肩を抱かれたままカウンターまで誘導してくれる夏喜は、御丁寧にユーセイの側で「彼女達に1杯づつなんか出して。」なんて言うんだ。
ユーセイが顔をあげてこちらを見ると、目が大きく見開く。横にいる夏喜を見てニッコリ微笑むと「かしこまりました。」そう言ってカクテルを作り始めた。
「最近仕事忙しいの?」
相変わらず肩に触れたままの夏喜。隣をはべらせるイケメンとしての夏喜は最高。顔も良くて背も高いし。付き合う相手ではないからゆえに、そう…。
「え?なんで?」
「んー、あんま呼ばれないから。雪乃の寝顔最近見てないなーって。」
トンって私の前にピンク色のカクテルが置かれる。勿論ながら置いたのはユーセイで。
「雪乃さんのイメージで。」
「…ありがとう。」
一口飲むと桃の味が広まって美味しい。ほんの少し嬉しくてユーセイを見つめると、当たり前に私を見ていたんだろうユーセイと目が合った。
「どう、ですか?」
「うん、すごく美味しい。私ってこんな甘いイメージなんだって、ちょっと可笑しいけど。」
「…その唇の甘さが決めて、です。」
夏喜に対する威嚇なのかなんなのか、ユーセイの口からそんな言葉が出るなんて思わなくて。だからまた頬が緩む。
だけど。
「…キスしたぐらいで彼氏面すると痛い目にあうよ。」
男女の友情なんてやっぱり成り立つわけがないって思う。