「教えてよ、先生」
「お前欲求不満?」
「内緒」
そう言ったら先生が目を細めてあたしのオデコをピシッと叩いて「真似すんな」そう笑う。
「いーじゃん。英語の神谷なんて絶対さぁ、ギャル系生徒食いまくってんじゃん」
「…神谷せんせーと一緒にされたくねーなぁ」
数年早く生まれただけなのに先生はあたしよりずっと大人に見えた。
「先生あたし魅力ない?欲情しない?」
先生の隣に座り直すあたしは、ネクタイを外して第二ボタンまでを開けた。
そんなあたしをチラッと見るだけの先生。
むしろちょっと呆れた顔されて…
分かってる。
先生があたしみたいな子供に興味がないことくらい。
でも好きなんだもん。
「欲情ねぇ…」
まるで誘惑してみろ!とでも言うみたいに先生は、口端を少しだけ上げた。
だからあたしは先生の綺麗な指から煙草を取り上げて灰皿に潰した。
ソファーに座る先生の開いた太股にお尻を乗せて、横から先生の上に乗っかったまま首に腕をかけた。
先生より目線が高いあたし。
見下ろす先生は吃驚するくらい色気を出していて…
そのまま先生の髪に指を差し込んでゆっくりと顔を寄せる。
「夏輝…」
耳元で囁いて、先生の頬にチュッと唇をつけた。
すぐに離して、覗きこむみたいに横から先生に顔を寄せる。
一ミリも動かない先生、いいの?
あたしこのまま先生のこと押し倒すよ?