ガラッと部室のドアを開けるとムワッと煙草の白い煙が充満していた。
あたしは眉間にシワを寄せながらも手で空気を払うみたいにブンブン振った。
「なんだよ?」
壁にぐったり背をつけて下から見上げる大きな目に、あたしはその横にいる生徒会長に視線を向けた。
「オレ?」
笑顔全開で自分を指差す生徒会長の中島颯太に苦笑いで首を横に振った。
「なんやぁ、オレちゃうやんっ」
「ごめん二人にしてくれない?」
顔の前で両手を合わせるあたしに、煙草を潰した颯太は「はいはい」って言いながらあたしの肩をポンッとして、部室から出ていった。
「颯太、相変わらず二重人格だね」
「裏の顔知ってんのは少ないからな」
そう笑うカレの隣に隙間を開けずにあたしは座り込んだ。
そんなあたしの態度を不審に思ったのか、カレがあたしをジッと見つめる。
「なんなの?」
「キスしたくない?」
「は?」
予想外だったらしいあたしの言葉に、学校内でも有名な不良グループの一員でもあり、あたしの幼馴染みの木村慧人が顔を歪めた。
寄りかかるみたいに慧人に身体を寄せるあたしをギョッと見る慧人の顔は作り物並にすっごく綺麗。
夏輝先生の次に――――