その日から丸々一週間、どうしてか?慧人は生物の時間に毎回夏輝先生から回答を求められた。
馬鹿な慧人に分かる問題なんて限られていて、一週間たった今頃慧人はキレだして…
「おい、澤本てめぇ、舐めてんじゃねーぞっ」
大声で怒鳴り散らしたんだ。
あたしは自分の失態から、先生も慧人も構うことができずにいる。
立ち上がって先生の胸ぐらを掴みかかった瞬間、授業終了のチャイムが鳴って、生徒会長の颯太が面倒臭そうに慧人を羽交い締めにして止めた。
「離せっ颯太!こいつ一発殴らなねぇとおさまんねぇっ!」
「では、今日の授業を終了します」
平然とした顔でそう言ってのける夏輝先生、教室を出る寸前に振り返って…
「っ…」
強い視線に誘われるみたいに、あたしはその日の授業が全部終わると、生物室まで走った。
絶対に生徒を特別視しない先生が、さっきはあたしを変な目で見た。
落ち着いてなんかいられなかった。
「先生っ!」
ガラッとドアを開けると、いつもと変わらない白衣の後ろ姿が目に入った。
「先生…?」
「お前がガキだって忘れてたわ、たく」
そう言って先生が少しだけ口端を上げて笑った。