episode 06


その日から丸々一週間、どうしてか?慧人は生物の時間に毎回夏輝先生から回答を求められた。


馬鹿な慧人に分かる問題なんて限られていて、一週間たった今頃慧人はキレだして…




「おい、澤本てめぇ、舐めてんじゃねーぞっ」




大声で怒鳴り散らしたんだ。


あたしは自分の失態から、先生も慧人も構うことができずにいる。


立ち上がって先生の胸ぐらを掴みかかった瞬間、授業終了のチャイムが鳴って、生徒会長の颯太が面倒臭そうに慧人を羽交い締めにして止めた。




「離せっ颯太!こいつ一発殴らなねぇとおさまんねぇっ!」


「では、今日の授業を終了します」




平然とした顔でそう言ってのける夏輝先生、教室を出る寸前に振り返って…




「っ…」




強い視線に誘われるみたいに、あたしはその日の授業が全部終わると、生物室まで走った。


絶対に生徒を特別視しない先生が、さっきはあたしを変な目で見た。


落ち着いてなんかいられなかった。




「先生っ!」




ガラッとドアを開けると、いつもと変わらない白衣の後ろ姿が目に入った。




「先生…?」


「お前がガキだって忘れてたわ、たく」




そう言って先生が少しだけ口端を上げて笑った。