episode 05


みんな始まりはほんの遊び程度なのかもしれない……

本気になんてならない!って。

一度だけって……

それが抜けられなくなるのは――――――






「相手次第か…」

「え?なに?」



勇征くんの部屋のベッドの上、私の肌をくまなく愛撫している彼は、黎弥との愛し方とはとうてい違う。

きっと勇征くんもそれなりに自信はあるんだって思う。

思うけど…



「待って待って…」

「え?」



顔を上げて私を見下ろす勇征くんは年下なのにすごい色っぽい。

女の私より遙かに色気をまとっていて…



「何か色々壊れそう…」

「へ?壊れるの?え?痛い?気持ちよくねぇ?」



そうじゃなくって…

気持ちがよすぎてどうしようっ!!!



…絶対に黎弥以上の人なんていないって思っていたのに、あり得ない!!

なにこの心地良さ…。

この子、ずるい。

私の身体もってっちゃう…



「勇征…」

「あ、呼び捨てヤバ。アニキの彼女抱いてる俺って…すげぇ最低じゃん。でも…―――ゆき乃さんの身体ヤバイ」

「身体だけなの?」

「違うよ。最初に落ちたのはココ…」



チュって胸を舌で吸う。

それだけですごい快感。



「俺のこと分かってくれた人、初めて…」

「それはでも、そうなのかな?って思っただけで」

「それが今までいなかったんだもん」



嬉しそうにそう言うけど。

単に彼の性格をそれほど知っているわけではなかったものの、黎弥の話によく出てきていたせいか、勝手なイメージを膨らませていただけなんだけど。

それでもそれを言葉にしただけで、見る目が180度変わるなんてこともあるんだって思った。


いつどこで恋に落ちる要素があるかなんて誰にも分らない。

同じように別の人を分析した結果を伝えたところで、恋に落ちる可能性は極めてゼロに近い。

きっと、勇征くんの中でのトラウマなのか、大事なとこをついたであろう私に、心惹かれてくれたんだって…

それにしても、先輩の彼女に手出す気になったことがすごいと思う。

普通なら、そう簡単に手は出せない。

あ、そっか…

簡単かどうかも、きっと本人のさじ加減なのかもしれない。



「だから俺、ゆき乃さんのこともっと知りてぇ…」

「勇征くん…」

「今は俺だけを見てよ…」

「…ん。来て…」



手を伸ばすと、ギュっと私を抱きしめた。

そのまま激しく舌を絡め合う。

チュっとリップ音を出して鎖骨へ移動した後、胸の回りを舐めていって…



「ピンク色って綺麗だね…ココ黒いだけで男ってテンション落ちるんだよ、何気に…」



突起を口に含みながら喋るから舌と歯に当たって痛痒い。

噛まれるとかあり得ない!って思っていながら、いざそうされたらそれはそれでいい心地良さだった。



「ウエスト、細いね…。アニキずりぃ、毎晩この身体抱いてると思うと、すげぇ嫉妬…」



ハァ…ハァ…って吐息を零しながら私の身体を舌と指で快楽へと導いていく。

自分でも吃驚するくらいの積極性が出ているのか…

焦らされている彼の指を咥えて舌で転がす。