オーナーの企み2


臣さんの言う肉屋は、映画で出てるような場所で。丸いカウンターの上、一列に座らせられた。

一番奥に隆二さん。その隣に臣さん。私。反対側にこれまた名もしれぬイケメン。


「山下健二郎です。よろしゅう。」


握手を求められてニッコリ微笑むイケメンに躊躇いがちに手を出した。


「銀座に本店構えようと思って。」


それからゆっくりと臣さんがそう言ったんだ。


「…へ、銀座?本店?」

「おう。歌舞伎町はもう若いのに任せて。もっと上の層に狙いを定めたい。VIP枠も儲けて業界人も狙っていきたいから、」

「はぁ…。」

「で、この山下がそこの本店の店長。で、お前が本店のNo.1になれ。今日はそれを言う為に呼んだ。」


ゴキュッと喉を鳴らして肉を飲み込むと隆二さんの煙草の煙がふわりと上がった。


「銀座でNo.1?私が?」

「唯月にしかできないと思ってる、俺は。」


オーナーに認めて貰えてるのは嬉しいけど、「プレッシャー?」反対側、健二郎さんがニヤリと口端を緩めたんだ。

シャンパンを一口飲んで苦笑い。


「…だいぶ攻めてますよね?銀座でNo.1なんて想定外です。でも、やりたいかも。」


銀座もNo.1も驚いたけど、それでもこうしてわざわざオーナー自ら話をくれるのは有難い。

その期待に応えたいと思う。


「よし、じゃあ決まり。後は好きに飲んでいいぞ。」


ポンポンって臣さんが私の背中を撫でると分厚いお肉が沢山出てきた。