オーナーの企み3


眠らない街、新宿歌舞伎町。

CLUB YOLO (ヨロ)

そこは、沢山の人が行き交う一角。

みんなそれぞれ人に言えない悩みや問題を抱えながらも、それを隠して生きている。

仕事行きたくない。

家に帰りたくない。

そんな負の感情を全て捨てきってここで美味しいお酒を楽しく飲む。

「人生は一度きり」 You Only Live Once

略して【YOLO】そこは知る人ぞ知るパラダイス。



「銀座に本店?」


お店が始まる前にキャスト全員揃えたオーナー臣さんは、昨日私に話したことと同じ内容をスタッフルームにいるみんなに話した。

健二郎さんも連れて。

ざわつくスタッフルームの一番後ろでメイクをしていた私を他のキャストがチラリと視線をうつした。


「唯月は知ってたの?」

「本店に連れて行くキャストは俺が決める。」


あえてなのか、臣さんが私への質問に被せてそう言うもんだから余計にちょっとザワついていて…


「もちろんNo.1を連れて行くんですよね?」


月ごとに毎回この千紗と争っている私。千紗がNo.1の時もあるし、私がNo.1の時もあって、どっちが真のNo.1とはいまだ言えないのが現状だった。

けどこの話、臣さんは私にしてくれて…


「まぁそらそーだ。あと残り2週間、No.1取ったキャストは必ず本店に連れてってやる。いいよな、唯月?」


この人は私が負けないと信じてる?それとも単に争わせたいだけ!?

どっちにしても負けなんて許されない。


「勿論です。」


ニッコリ微笑む私に臣さんが口端を上げた。

残り2週間、何がなんでも売上一位取ってやる。