episode 03


「仮装衣装どうでした?」

「え?衣装?」

「はい。じつは気になってあんま集中できなくて…」




髪に手を当てて照れる慧ちゃん。

やばい、めちゃくちゃ可愛い。

触れるか触れないかのこの距離がもどかしくて早く埋めたくて…




「あの、サ…」

「内緒!当日のお楽しみだよー!」




正面にいるゆき乃が私の言葉を遮ってそう言った。




「ですよね!じゃあ後1日我慢します。楽しみだなぁー」

「慧ちゃんも仮装するんだよね?」

「もちろんしますよ!それがルールですよね?」

「うんまぁ。無理やりついてこなくてもいいのよ?コイツらに…」




騒いでる男子達を見てそう言うと、慧ちゃんはふわりと微笑んで首を振る。

ふわふわの髪が揺れて女子みたいに甘い香りがしたなんて。




「先輩達みんな優しいから。僕は仲良くしていただけて最高に嬉しいっす」

「そんなもんかなぁ」

「汐莉先輩と付き合えたらもっと嬉しいけどね…」




サラリとそう言うんだ。

みんなそれぞれ話し込んでるからって、分からないからって、こんなに人が沢山いるのにそう言うんだ。

何だか言われた私のが真っ赤になって俯く。




「ずるいよそーいうの。私だって…」

「あ、すいません!返事はいつでもいい!とか言っといて、今のは催促とかそーいうんじゃないんで!ゆっくり答え出してくださいね?」




答えなんてとっくに出てる。

でもこんな所じゃ言えないし。




「……うん」