逢いたくて3


「研修…なんですか?」


受付で直人の名前で呼び出して貰おうとしたもののどうやら研修で缶詰め状態だって言われて…。仕方なく伝言と宿泊ホテルの部屋番号を書いた紙を渡して待つしかないと。

連絡せずに来たら当然だよね。

直人に逢ったらなんて言おう?ちゃんと考えておかなきゃ…―――


色々考えてたら、いつの間にか眠ってしまっていた。


パチ。目を開けると眩いトワイライトな光が窓から射し込んでいた。オーシャンビューなこのホテルからは、さざ波の音とギャラリーのざわめき声が心地よく耳に入る。

スマホの画面を見ても直人からの連絡はきていなかった。当たり前にゆせからの連絡も。


「研修、まだ終わらないのかなぁ。」


シャワーを浴びて着替えると、もう一度系列ホテルに出向いてみた。


「ハロー!」


拙い片言の英語で直人の所在を聞いた。


「…え?休み?研修じゃないんですか?」
「確かに研修はありましたがもうとっくに終わってますし、カタオカは3日程休みを取ってます。」
「…そう、ですか。」


…ストンっと傍にあったソファーに座り込んだ。まさか日本に?


「Miss …」


え?呼ばれた気がして顔を上げるとホテルマンらしきボーイさん。ニコニコ微笑んでいる。


「カタオカは、ガールフレンドと3日間ホノルルに旅行って言ってました。」


ガールフレンド?旅行?…―――なんだ、そっか。そういう事か。

直人に逢えるかも…そう思って来たけど、もう直人の心には私なんていないんだって。私の誕生日にプロポーズするって小さな口約束も忘れてしまったんだって。


―――涙もでなかった。