嬉しいヤキモチ2


「大人しく待ってられなくてごめん。迎えに来ちゃった。もう帰れる?」


繋いだ手に指を絡めるゆせは、それでもちゃんと直人に頭を下げる。


「直人さん、続きは週明けで。週末は全部予定入ってるから私。」


やましい事をしていたわけではないのに、なんだかこうやってゆせに分かるように言うってどうなの?なんて思いながらも、ゆせを見上げると嬉しそうにニッコリ微笑んでくれた。だからそれが間違っていないって、分かった。


春コートを着てストールを巻き付けた私はゆせとエレベーターに乗り込む。


「雪乃、」
「え?」


ギュッと抱きしめられてそのまま壁まで追い込まれる。迷うことなく私にキスをするゆせに、その大きな背中にそっと手を添える。

狭いエレベーターの中で、ほんの数秒間の激しいキス。

ポンと一階の社内出入口に着くとゆせが私の腕を引いてエレベーターから降りた。


「…ごめん、なんか、馬鹿みたいにヤキモチ妬いた。」


真っ赤な顔で私から顔事逸らすゆせに胸がギュッと締めつけられる想いだった。


「ゆせが謝ることじゃないし…ヤキモチ妬かせてごめん。でも…私はゆせだけだから、そういうの嬉しいって思っちゃうかな、」
「…毎日さ、迎えに行ってもいい?」
「え?」
「毎日俺が雪乃のとこまで迎えに行って、あの人から雪乃を連れ去りたい…。」


恥ずかしそうにそう告げたゆせに「うん。」小さく頷くとやっとこっちを向いて笑ったんだ。