「どう聞いてもさっきあたしに言った言葉は雪乃さん自身に言い聞かせてる感じしかなかったもん。まぁだから余計にリアルだったんだろうけど。」
キョトンとネコを見つめる私に「ほら、理屈じゃない好きって奴。きれいごとじゃない直人さんへの愛してる!」わざわざ直人の名前をつけて言うネコをジロッと睨むとクスって微笑んだ。
今更ながらあんなに熱く語った事も恥ずかしくなる。
「そうよ!だからネコも、」
「でも雪乃さん!あたしは違う。」
「え?」
言葉を遮ったネコは唇を噛み締めていて。
「拭い去ることができなかった雪乃さんと直人さんとは違うよ、あたしとてっちゃんは。いつだっててっちゃんは優しいけど、あたしは色んな困難も2人で一緒に乗り越えるものだと思ってる。一人で解決しちゃうてっちゃんとの恋は、苦しくて息ができない。それでもてっちゃんの所に戻らないとダメですか?」
…今ここでイエスと言ったらネコは戻るんだろうか?
ぎゅっと私の腕を強く握るネコ。
「健太と一生に居たいよ、雪乃さん。ゆせくんを愛した雪乃さんなら、分かってくれるよね?」
何も言えなかった。だってゆせがいなかったら今の私はない。
少なくとも直人のいない2年間、私を満たしてくれていたのはゆせで。どれほど救われたか、ゆせの優しさと愛に。
こんな私の事、気にかけて好きになってくれる人なんて、ゆせ以外にいない!って言いきれるくらいに。
神谷健太を想って泣くネコと、ゆせを想って泣く私。やっぱり今夜は感情が行方不明―――。