間もなく10連休を控えたその日、たかが2、3日顔を見なかっただけのゆせが私の前に姿を見せた。
「立花さんから聞いて。雪乃が寂しがってるって…、」
ちょっとだけ思い詰めたようなゆせの表情に、あの日直人が何を話したのか想像がついた。
ゆせも、私とどんな顔で会えばいいのか分からなかったような、そんな顔。
「…うん。」
「俺、戻っていい?」
キュッと指先を絡ませるゆせ。三日程度なのにそれを久しぶりだと思えるくらい、心はゆせに逢いたくて…壊れそうだった。
「…ゆせに、話があるの。」
もう立ち止まってられない。直人の為にも、前に進まなきゃいけない。
なんとも複雑な顔をしたゆせが小さく頷いたんだ。
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「直人さんに何か聞いた?」
ブラック珈琲をゴクリと一口飲んだゆせはちょっと苦笑いで私から目を逸らした。
「雪乃と気持ちが通じあった…って。でもなんか信じらんなくて。」
俯いてカップを置くゆせはちょっと不安そうに窓の外を見つめる。
「うん。間違ってない。直人さんがまたロスに戻るって聞いた時に、もう離れたくないって無意識で思ってて、また置いていかれて一人になっちゃうって、そう思ったの。」
私の言葉に眉間に皺を寄せて顔を歪ませるゆせ。さも、信じらんないって顔で、さも、有り得ないって顔で…―――
「…なんだよそれ、」
吐き捨てるように出したゆせの言葉は小さくて震えていた。