倉庫に着くとそこには久しぶりに見るやましょーとネコの姿。近くに未来はいなさそうでちょっと安心した。
ここ数日すごく調子がいいってやましょーを健太達は連れてきた。
そしてやましょーがどうして薬漬けになってしまったのかが陸の口からみんなに伝達された。
ネコに似てるっていう売人の女。ネコを好きになったがために、そこに落ちてしまったやましょーを可哀相だとは思えなかった。
一歩間違えたら自分だって同じなのかもしれない、なんて思っている。
だけど…
「で、ここからが本題。―――…その女を探す手掛かりがやっと見つかったんだ。」
陸の言葉と紙っぺら一枚。でもそこに描かれているのはそう…どこかで見たことのある蛇のタトゥーだった。
でも思い出せなくてだから下手に言葉にもできない。万が一間違ってしまったらそれは一大事で。
「ゆき乃?どうかした?」
サワが私の動揺を読んで顔を覗き込むから小さく首を横に振った。
「うううん、なんもないよ。サワは今日走りだよね?」
「…ほんとになんでもないの?」
「…ないよ。」
「俺今日はゆき乃と一緒に待つから安心しろ。」
「大丈夫だって。気にせず走ってきて。ね!」
ポスッてサワの手が頭に触れて、それだけでどれだけ安心できるか。でも、せっかくの走りを邪魔するのは嫌だからサワの背中を押して送り出す。
サワと入れ替わりのよう、マサがこちらにやって来た。
「ねぇね、髪結って、伸びてうっとおしいねん。」
マサが無邪気に背中に乗っかってくる。どうやら今日の私の護衛はマサのようで。みんなが暴走の準備をする中、マサだけはずっと隣にいてくれる。
「髪、伸ばすの?」
「えー?ねぇねはどっちが好き?」
「ふふ、どっちも好き。マサの好きにしなよ!でも長いとちょっとチャラいかなぁ。」
「ほんならちょっとだけ切るわ!」
誰もいない倉庫でマサと2人、手持ち花火で遊んでいた時だった。
ポケットのスマホ画面には着信、嘉くんの文字。
何だか妙に胸騒ぎがした。