「もしもし、嘉くん?」
【ゆき乃、なんか俺、変な錠剤飲まされて、身体がフワフワすんの。さち子は気づいたらいなくて。急に寂しくなってゆき乃の声が聞きたくなった。ねぇ今どこにいる?何してる?】
…なんか変。嘉くんぽくない。こんな事言ったりしないよ普通に考えて。
だって嘉くんは今日私の告白を断ったんだもの。
「嘉くん、今どこにいるの?」
【えーどこだろ?さち子とホテルに入ってそのまま、ねぇゆき乃、今どこ?】
電話越しで私を呼ぶ嘉くんに私は眉毛を下げた。
「ねぇね?誰?」
だからマサに気づかれて苦笑い。
「クラスメイトの嘉くん。女とホテル行ってそこで変な錠剤飲まされたって、」
待って。何今の。
健太の探している売人の女って、まさかさち子!?いや、違う。さち子はネコには似てもいない。
「あ!!!!!」
それはあの日なっちゃんと見たさち子の連れの女。
ちょっと雰囲気がネコに似たあの女の手にはそう、蛇の刺青が掘ってあった。
陸が見せたあのイラストの蛇が。
ガクガク震える手に、マサがスマホを奪い取った。
「おい、どこにいる?ホテルの場所言え!……すぐ行くから一歩も動くんじゃねぇぞ!!!クソがっ!!!」
怒鳴り散らしたマサの腕を掴む。
「マサ、健太に連絡して。売人の女はさち子の友達のアイリ!ネコに雰囲気の似たアイリの腕に蛇の刺青がいた。なっちゃんと一緒に見た。」
「ほんまに!?こいつの女も売人と繋がってて薬飲まされたってことやん!!!クソったれ!!!」
ガンってマサがソファーを蹴り飛ばすと花火のロウソクを足で踏み潰してスマホ片手にバイクのエンジンを入れる。
「兄貴、分かったで、売人。アイリって女や。その連れのさち子って女にねぇねのクラスメイトが錠剤飲まされて今ホテルに監禁されとる。そこに向かうから兄貴もすぐ来てや!」
ホテルの名前を口にしたマサは悲しそうで。
前にネコと未来が入って行ったのも、そのホテルだったなんて。