「サワ!」
「ゆき乃、大丈夫?」
何も言ってないのに、私の顔色一つで気持ちを読めるのはサワだけだって思える。
ギュっとサワの腕を握ると「たく、無理しやがって。」サワの腕に抱きしめられる。
安心出来るこの温もりが愛ならよかったのにね。
「あのね、聞いて欲しいの。未来があっち側の人間かもしれない。だからネコがやましょーと同じ薬漬けになってるかも。それから嘉くんの彼女のさち子があっち側で、この前一緒に連れてきたアイリって女がちょっとネコに似てて、そいつが私たちを苦しめてる。」
「分かった、もういい。あとは俺に任せろ。」
うん…と、顔を埋めるとポスッと頭を撫でられる。
サワがスマホで誰かに電話をかけてて。たぶん陣か陸か黎弥。
「まずいな、学校終わってからネコが捕まらない。もしかしたら未来が隠してんのかも、」
「そんな…」
「探すぞネコを。」
サワのバイクでネコを探し始めた。走り出して数分、見かけたんだ、あの未来を!!
「サワ、止めて!反対側に未来がいた!」
ギュッとお腹にしがみついている手を叩いてサワに知らせる。
遠目で見ても分かる未来の赤髪。
どうやらネコはいないらしい。でも代わりにいたのはあの売人。
一瞬ネコかと思うくらいに似ているあの売人。
バイクを止めてサワと2人、後をつけたんだ。
「ここがアイツらのアジトか。」
snakeってお店に入って行く未来とアイリ。未来の手はアイリの腰に回されていて、それだけで心が落ちる。確かにネコは健太と離れて未来のとこにいったかもしれない。
健太を傷つけてまで未来を選んでも、それすらが嘘で固められていたものだとしたら…
「サワ。中に入る。ネコがいるかもしれないから。」
「ダメだ、危険すぎる。応援が来るまで行かせない。」
「でも今なら未来の後を追える。お願い行かせて!」
懇願する私に甘いサワ。
眉毛を下げて「たく。仕方ねぇな。俺の傍から離れんなよ?」サワが私の肩を抱いて、売人達のアジトであろうsnakeに入って行った。