カツンと中に入ると、煙草の煙なのか空気が重く野暮ったい。
カウンターにいる未来らしき人の所に行こうと歩いていると「あれ?見ない顔やん!」聞こえた声にドキッとして視線を向けるとピンク色の頭の小柄な男がガン見している。
「あー分かった、未来の客やんな!未来ー!」
大きな声で叫ばれた。私と言うよりかはサワを見てこっちの存在が分かったのかもしれない。
カウンターにいた未来がこちらを振り返ると、分かっていたように口端を緩めた。
「ゆき乃さん、どーしたんですか?こんな所まで。」
未来がこちらに向かって歩いてくるからサワが前に立ちはだかる。
「護衛のサワさんまで御一緒で。もしかして、俺に用ですか?」
「そうだ。ネコを返して貰う。」
サワの威圧的な声に動揺する事もなく未来が首を傾げた。
「なんのこと!?朝海はいませんよ、ここには。」
「白々しい。見え透いた嘘つかなくても全部バレてんだよ、未来。」
サワの言葉にまた面白ろ可笑しいって態度で口端を緩めた未来は「んじゃ仕方ねぇか、バレてんなら。」…悲しくも、等々本性をさらけ出したんだ。
「未来どうして!!!どうしてネコに近づいたの?どうしてうちのチームなのよ!?」
感情的にサワの後ろから飛び出す私を慌ててサワが後ろに引き戻す。「ゆき乃、落ち着けって。」そう言って。
小さく頷くとサワがポンと頭を撫でた。
「目的はなんだ?」
「…別に。」
「答えろ未来。回答次第では許さねぇけど。」
「…サワさんさ、いつまで護衛止まりでいいわけ!?」
未来の顔が歪んで見える。
すごく嫌な空気。
「何が言いたい。」
「別に。俺なら好きな女が傍にいたらどんな手を使っても自分のモノにするけど。」
これは完全に未来の挑発だって分かってる。
大人なサワがこんな挑発に乗るわけないって。
「…俺は、」
グッとサワの手に力が入っているのが分かる。
今にも未来に殴りかかりそうに思えて。
「サワ、挑発よ!」
ポンと背中を叩くと「うん。」儚げに笑うなんて。