「なぁ未来!でも俺このお姉さんめっちゃタイプやねんけど!」
ピンク頭が私の傍に寄ってきて、サワがこちらに伸ばしたピンク頭の手をバシッと払った。
「ゆき乃に触んなっ!」
おっと!って、くるりとバク転して避けるピンク頭。
「サワ、」
「分かってる、心配すんな。けど一つだけ。…本当は一生言うつもりなかったけど、一回ぐらい俺も素直になるわ。…好きだ、ゆき乃が。ずっと好きだった。」
まるで最後の言葉みたいに思えるサワの告白に胸の奥がギュッと痛い。
私がずっと嘉くんの事相談していたのはサワで。
一人でずっと苦しんでいたと思うと自分の馬鹿さ加減に泣きそうになる。
でもここで泣くのは反則。泣いたらサワが困るから。グッと喉の奥を噛み締める。
「サワ、ありがとう。」
「安心しろ。死んでも守ってやるから!」
ふわりと笑ったサワが未来に向かって歩いていく。でもすぐにピンク頭がバク転してサワの前に立ちはだかった。
ニヤリと口端を緩める姿にちょっとゾッとする。
「おっと、お前の相手は俺や!…勝ったら貰うで、その女!」
「ふざけんのも大概にしろ。誰が渡すかてめぇみたいな猿に。」
すばしっこい猿とサワの怠慢に胸がギュッと痛い。でも目を逸らしちゃいけないって思う。
小柄な猿は変なポーズでキーキーサワを威嚇しながら変な動きで攻撃していて、サワはそれを一瞬も目を逸らすことなく見て避けている。
これ、サワがおされてる?
グッと汗ばんだ手の平を握り締めた。
「ゆき乃さんっ!!!」
不意に聞こえた声に振り返ると、サワが呼んだんだろう、応援で黎弥がこの場に姿を見せた。
「黎弥!ここ。」
黎弥の腕を掴んで引き寄せた。
「なんだあのチビ、めちゃくちゃすばしっこいじゃん。」
「黎弥、未来を追って欲しい。たぶんどこかにネコが監禁されてる。」
「了解です!安心してゆき乃さん。もう大丈…」
黎弥が言葉を途中で止めたのは、その視線の先、未来の後ろからまた新たに人が出てきたから。