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「わあっ、綺麗。」
手を繋いで打ち上げられる花火をずっと見ていた。
嘉くんと一緒に。
じんべぇ姿の嘉くんは、髪を巻いてちょっとお洒落で、かっこいい。
「うん。」
嘉くんと二人川原を歩いていると、見るからにガラの悪い奴らが目に入った。
チームの子も今日は走りに出ずに花火大会を楽しんでいる訳で。
女連れの嘉くんとすれ違う時、「邪魔だ退け。」…因縁をつけられる。
すぐに嘉くんが私を後ろに隠して「ゆき乃に触るな。」…嘉くんを不良にしたい訳じゃない。
だけどガラの悪い奴らは、ゆき乃って名前になのか?…目を見開いて小走りで去っていった。
思わずあんぐりと口をあけてしまう。
「…なに?今の。」
「うんまぁ。なんていうか、サワさんがゆき乃の名前広めてくれたみたいで、なんかあったらゆき乃って言えばみんな逃げてく…って教えられてて。」
苦笑いで頭をかく嘉くんの反対側の腕にギュッと絡まった。
「サワの奴、かっこいいことしてくれて。」
「うん、ほんとに。…本当にサワさんじゃなくて俺でよかった?」
聞かれた嘉くんの言葉に今度は私が苦笑い。
「知ってたの?サワの気持ち。」
「うん。呼び出されて。ゆき乃と付き合いたいなら、どんな事があっても死ぬ気で守れって。自分がずっとそうしてきたって。それができなきゃ渡さないって。だからサワさんに護身術的なのも教わってて。」
よく見ると嘉くんの手はちょっと傷があった。番倉庫のついたそれをギュッと握ると優しく微笑んだ。
「サワさんには今は敵わないけど、でも俺、この先どんな事が起こってもゆき乃を信じるし、ゆき乃を守るって約束する。だから、これからもずっと一緒にいて欲しい…。」
まるでプロポーズみたいな嘉くんの想いに胸が熱くて。
「うん。ずっと一緒にいる。」
ずっと夢見ていた花火大会。
何年先もあなたと一緒に見たい…――――