【side ゆき乃】
あれからsnakeは解散したらしく、未来がどこにいったのかは分からない。
薬を使ってた奴らを警察に突き出せないのは、こっちも飲まされていたからで。
本来、絶対に許されないいけない事だと思うけど、それでもやっぱり未来(みらい)ある若者を捕らえることは私たちにはできなかった。
その証明として、ネコの刺された左腕はずっと麻痺が残って自由がきかない。
それでも命があれば、生きていける。
神様、ごめんなさい。
もう二度と同じ過ちは繰り返さないから、どうかみんなを許してください。
チームみんながそう思ってくれていると、私は信じる。
「おじさん、あんず2つ!」
嘉くんが私に1つ渡してくれて、また手を繋ぎながら屋台を回る。
神社の奥、たこ焼き屋の前に数名若者がたむろしていて…
「未来?」
「え?」
視線の先、頭にタオルを巻いてたこ焼きを作っている未来と、竜太。それから相変わらずなピンク頭の力也がそこにいた。
ジャリと、下駄を鳴らした私に気づいてみんながこちらを見る。
「うわお!!!俺の運命ちゃん!!やっぱり逢えたで、二度目の出逢い!」
キャッホーイ!って猿みたいに近寄る力也に苦笑い。
「いやいや、触んないでよゆき乃に。」
そんな嘉くんに思いっきり威嚇するけど、「力也、よせって!」あちら側から竜太の声。
だから嘉くんと一緒に未来の前まで行くとスっと腕を伸ばして出来たてのたこ焼きを差し出したんだ。
「あげます。安心してよ、何も入ってねぇから!」
ふわりと未来が微笑んだ。まだ未来の事を疑いもしなかった頃、ネコの隣でよくそんな風に笑っていた未来を思い出す。
「健太さん、どうなった?」
「…3日前に目が覚めて、今はピンピンしてる。」
「…よかった。…」
きっとネコの事も、知りたいだろうけど、それ以上未来は何も聞いてはこない。
だから私も何も言わずに未来達の前から移動する。