弐拾参 玉子粥


一瞬何が起こったのか分からなくて。

でも確実に私の腰に抱きついているなっちゃん。

ベッドの上で大股開いた間に私を入れてそこに巻きついているみたいななっちゃんの身体はめちゃくちゃ火照っている。

触れている箇所が燃えるように熱くて…

つい手をなっちゃんの髪に乗せて撫でると更にぎゅうって力を込めるんだ。


「どうしたの?なっちゃん。」


そう問いかけても何も言わない。ただ目を閉じて私の腰に抱きつくなっちゃんは、風邪で弱ってるんだって。こんな時誰かが傍にいてくれたら甘えたくもなるよなぁって。


「よしよし、大丈夫だよ。ずっとなっちゃんの傍にいるから。ね?」


ちょっと子供っぽかったかなぁ、扱いが…なんて思いながらもなっちゃんの髪を何度も撫でると、漸くなっちゃんが私から離れた。

何事もなかったかのように虚ろな目で立ち上がると、私の肩にポンと一つ触れてからトイレに入って行った。



「お粥作ったんだけど、食べられるかな?」


トイレから出て洗面で手を洗っているなっちゃんに後ろから声をかける。

またお鍋に火をつけて更に加熱する。グツグツといっているからそろそろ食べられそう。

キッチンに向かっている私の肩に顎を乗せて横から覗き込む。同時にまたその手は腰に回されて。

甘夏だから仕方ないかーって特になにも思わずそのままにしていた。


「玉子入れてよ。」


頬にかかる吐息も熱くて、なっちゃんの熱はまだ全然下がっていない。


「玉子ね、了解。割るから動かないでね!」


パックの卵を一つ取り出してキッチンに軽く叩きつけて割った。

ポトンと落としたそこ、双子の卵に振り返るとなっちゃんの顔とぶつかりそうになる。

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