「髪、俺が乾かしてあげる。」
タオルドライをしていた私に気づいて、ベランダで煙草を吸っていた樹が戻ってきてそう言う。
奇跡的に、持ち歩いていたアレルギーの薬を飲んでお風呂に入ると私の蕁麻疹も消えたけど、こりゃ本格的に病院で薬を処方して貰わないとダメかも…なんて思う。
クシャミも止まらないし鼻水も垂れてきて、それでも今夜は樹と一緒に居たいと思っている。
ドライヤーを当てて指でやんわりと髪を解いていく樹に目を閉じて任せていると、うなじにちゅ、と唇を押し当てられた。
鏡越しに樹を見つめると、舌でツーっと首筋を舐めていて…
「樹、」
「ごめん、我慢できねぇや。」
半濡れの私の髪を放置して樹はそのまま私の顔の向きを変えるとキスをしながらベッドの上に押し倒した。
耳の後ろに手を添えるのは樹のキスの時の癖なんだろうなぁーって思う。
でもそれが今は心地よくてもっともっとして欲しくなる。
こうして恋人に抱かれる事がどれ程幸せか、樹が教えてくれているみたいだった。
「シャツ脱がすよ?」
樹のTシャツ1枚だけを上に羽織っていた私は、辛うじてパンツは穿いていたもののブラなんて当たり前にしていなくて、直接胸を鷲掴みする樹にギュッと抱きつく。
左胸のそこに触れて、優しく撫でる樹は、「これがあったお陰でゆき乃が俺のとこにきたんなら、感謝しなきゃだな。」ちゅって突起に口付けるから身体に快感が走る。
指で突起を摘んでいる樹は首筋が好きなのかよくよく舐めていて…
ほんのり強く吸いつかれてそこに紅い痕を付けていることすら、愛おしかった。
「馬鹿だったのよ。まだ幼かったし。」
「それだけ本気で好きだったんでしょ?俺のことは、それ以上に好きになってよ。」
…初めてだった。
こんなタトゥーを入れてしまって後悔していた私に、相手を本気で好きだったからだ、なんて言ってくれた人は。
そして、その時よりも自分を好きになって欲しい…だなんて、可愛すぎる。
「もうなってる。もうとっくに超えてる。樹が誰より好き。」
くるりと反転して樹の上になった私は高揚して私を見上げる樹の首筋に同じ紅い痕を残してやった。
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